みんなが納得するようなきちんとした理由もなしに仕事をよく休む人は、どこの会社にもいるものだ。自分の同僚だと迷惑極まりないのだが、体調不良でもないのにどうして休むのか、クビになるのが怖くないのか?その心理が分かれば対処法も見つかるかもしれない。この記事では、仕事をよく休む人の心理と特徴、仕事をよく休む人はどうなるのか、仕事をよく休む人への対処法などをまとめていきたいと思う。
仕事をよく休む人の心理
誰もが仕事に行きたくないなと思うことはあるが、実際に休んでしまうことは少ない。仕事をよく休む人の心理はいったいどうなっているのか。その性格にはどういう特徴があるのかを見ていこう。
①責任感がない
自分の仕事に責任感がない人ほど仕事をよく休むことが多い。責任感がある人は自分が休んでしまった後のことを想像して、周囲に迷惑をかけることが分かり切っているから、仕事が忙しいときに休むことはしないだろう。気分屋でめんどくさがりな人が多いのも特徴だ。社会人として本来身につけておくべき基本的なことができていないと言える。自分がやったことに責任が持てないので、一緒に働く人はその尻拭いで苦労することになるだろう。
②向上心がない
向上心がない人は仕事に対して消極的で、ただ毎日のルーティンをこなすことを仕事だと思っている。仕事に活かせるような資格を取ったり時間外に勉強したりすることは一切ない。ずっと同じことの繰り返しなので仕事自体がつまらなく感じてしまい、つい休みがちになってしまう。人から「こういうことをやってみたら?」と提案されても何かと理由(お金がない、時間がない、休みの日には体を休めないといけないなど)をつけてやらないのも向上心のない人の特徴。
③他人任せ
自分が休みで会社にいなくても誰かがやるだろうと思っているのがこのタイプ。これは自分の苦手分野だから~これはまだ習ってないから~などと理由をつけて、仕事に真剣に取り組む姿勢があまり見られない。任された方の人は、なんで自分がこの人の分までやらなきゃいけないんだ?と不信感を抱き、信頼関係が損なわれる原因となる。
④自己否定感が強い
「私はダメな人間だ」「自分は情けないやつだ」などと自分を否定してしまう考えを辞められない人は、周囲からの評価に敏感でどんなことでもネガティブにとらえてしまいがちだ。そうして他人の目を気にするあまり「どうせ怒られるから仕事に行きたくない」などという結論に至ってしまう。そしてますます会社に行きづらくなってしまうという負のループに陥りがち。
⑤傷つきやすい
ちょっとしたことで「あの人は自分を嫌っている」「みんなが自分に冷たい」などと思ってしまう、傷つきやすいタイプの人は会社をよく休む傾向があるだろう。人から言われたことを必要以上にネガティブ方面に考え込んでしまい、悩み続けてしまう。なので一番の対処法は傷つく原因になる人に会わないことなので、どうしても仕事を休みがちになってしまう。
仕事をよく休む人はどうなるのか?
周囲に迷惑をかける
仕事をよく休む人は当然周囲に迷惑をかけている。誰かが休んだことによって、当然他の人へしわ寄せがいくのがほとんどの会社の実情だと思われる。特にその人の周囲にいる人、同僚や上司や部下には直接の被害が及ぶことになるだろう。そうして周りの人に迷惑をかけることによって信頼関係が損なわれ、次出社してきた時に気まずい空気が流れるのは簡単に想像できる。仕事をよく休む人が一人いることによって他の人が忙しくなってしまいピリピリして、職場全体の空気が悪くなるのもよくあることだ。
評価が下がる
周囲に迷惑をかけるのはもちろんだが、本人にも評価という形でペナルティが与えられることになるだろう。評価が下がることで昇進や昇格、給与や賞与にも影響が出てしまう。働いても給料が上がらないとなればモチベーションが保てず、ますます仕事に行きたくないという悪循環に陥ることだろう。
クビになる
仕事をよく休む人は最悪の場合その職場をクビになることもあるだろう。正社員の場合は会社側も簡単にクビにできないとはいえ、あまりにも休む日が多い場合は就業規則などにのっとり処分が下る可能性もあるだろう。非正規雇用の場合はなおさら不安定な立場なので、契約更新がされないなどで結果的にクビになることは十分考えられる。
仕事をよく休む人への対処法
こうした仕事をよく休む人が身近にいる場合、どうしたらいいのだろうか。何かできることや、効果的な対処法があるのかを調べてみた。
体調不良以外の原因の場合
仕事内容を工夫してあげる
仕事をよく休む人の心理で話したように、そういった人には仕事に対する責任感がなく、向上心も持ち合わせてないことが多い。そのような人に仕事への責任感ややる気を出させるには、仕事内容を工夫してみることも必要かもしれない。また、仕事量は適切か。多すぎてもやる気がなくなるし少なすぎても「こんなの誰でもできるだろう」と責任感を感じられなくなってしまう。本人のレベルに合ったちょうどいい仕事や本人の興味が持てる仕事を割り振ってあげることで、仕事への責任感を持ちやる気も生まれるかもしれない。
仕事量を目に見える形で提示する
「このファイルを〇時までに終わらせてください」など、仕事量と時間を指定することで、自分の仕事であるという責任感が生まれる。「これはあなたの仕事」と他人任せにできない状況を作ることで、本人に自覚を持たせることができるだろう。
声かけの方法を変えてみる
自己否定感が強くネガティブな人は会社を休みがちになってしまうと話したが、そのような人には声かけの方法を変えてみるのもいい。直接注意すると委縮してしまうので、もしミスを見つけても頭ごなしに否定するのではなく、どうしてそういうミスをするに至ったのかを一緒に考えてあげるのがいいだろう。もしかしたらその中に、解決の糸口が見つかるかもしれない。
仕事を休む理由が体調不良の場合
体調不良を理由に欠勤や遅刻が多い人はうつ病の始まりかもしれない。特に休み明けの月曜日に休みがちな人には注意して見ていく必要があるだろう。メンタルヘルスが不調な人への職場での支援策として以下のようなアンケート結果も出ているので参考にしてほしい。
メンタルヘルス不調を発症した後でも、働き続けられるようにするためには、職場で どんな支援策が求められるのだろうか。雇用者として働いているときにメンタルヘルス 不調になった人に、希望する支援策を聞いたところ、「業務内容や業務量への配慮」をあ げる割合が 42.3%ともっとも高く、次いで「職場の同僚や上司との人間関係を考慮した 配置」(34.9%)、「上司や同僚による日常的な声がけ」(29.6%)、「人事労務担当者や上 司による定期的な面談.助言」(19.6%)、「業務遂行時における上司や同僚によるサポート」 (19.6%)、「短時間勤務や残業・交代勤務の制限など就業上の配慮」(17.4%)、「病気休 職制度」(11.5%)、「産業医や専門担当者による定期的な面談、助言」(11.2%)、「専門 の外部相談機関(EPA)を活用したケア」(7.3%)、「休業期間中の不安を軽減するため の情報提供」(6.9%)の順となっている
独立行政法人労働政策研究・研修機構より引用
総括:仕事をよく休む人へは結局どうすればいいのか
この記事をまとめると
仕事をよく休む人の心理は
- 自分の仕事に責任感がない人ほど仕事をよく休むことが多い
- 向上心がない人は仕事に対して消極的
- 自分が休みで会社にいなくても誰かがやるだろうと思っている
- 自分を否定してしまう考えを辞められない
- 傷つきやすいタイプの人は会社をよく休む傾向がある
仕事をよく休む人はこうなる
- 仕事をよく休む人は当然周囲に迷惑をかけている
- 本人にも評価という形でペナルティが与えられることになる
- 最悪の場合その職場をクビになることもある
仕事をよく休む人への対処法
- 仕事内容を工夫してみることも必要かも
- 仕事量と時間を指定することで責任感が生まれる
- 声かけの方法を変えてみる
- 体調不良(特にメンタルヘルス)で休んでいる人には支援策が必要
ここまで、仕事をよく休む人の心理や特徴、仕事をよく休む人は会社内でどういう立場に置かれるのか、仕事をよく休む人への対処法などを解説してきた。仕事をよく休む人が社内にいた場合、まずはその人が病気などが理由の体調不良で休んでいるのではないかを確認することが先決だ。もし病気での欠勤だった場合、特に初期は見落とされがちなうつ病の場合を頭に置いて、通院を勧めるなどした方がよい場合もあるだろう。
病気が理由でない場合は、よく休む人をみんなで敵対視していると悪循環に陥る可能性が高いため、なるべく仕事内容などを考慮してフォローしてあげることが欠勤防止の第一歩となるのではないだろうか。